研究者(機関)の皆さまへ

農業技術では個別要素について様々な研究が行われて毎年多くの成果事例が発表されますが、土壌の物理性を切り口にした事例はほとんど見ません。土壌の物理性は作物の成長に強い影響を与えますが、それは土壌の物理性が作物の根の成長に直接的な影響を与えることによります。耕起、施肥、水の管理など課題解決手段としての管理作業は、土を介して作物の根に働きかけるものですが、根の状態によって有効性が変化することは容易に想像がつきます。

 当社では実証試験圃場等での土壌物理性の評価業務や、実証試験圃場の土壌物理性を均一にしたり、試験区によって物理性を変える作業の受託が可能です。このことにより研究テーマを実圃場レベルで実施したり、成果をマニュアル化して実装する場合の再現性を高めることが可能です。

 

参考例:

同一圃場内で土壌物理性を変えたときの作物の成長速度差(2017年春、コマツナ、茨城県)・・赤線と青線は同じ圃場内に作った2試験区に同じ品種のコマツナを同じ日に播種したもので、土壌硬度以外の栽培条件は同じにしています。数値は2試験区内から毎週サンプル10株を採取し、株重量を測定したものです。

土壌物理性について

当社では、土壌硬度(土壌の硬さ)を物理性の指標として評価しています。土壌の硬度データは貫入式デジタル土壌硬度計(大起理化工業製)を使用し、地中60㎝(作物によっては90㎝まで)までの土壌硬度データを1㎝毎に計測することが可能です。下図はサンプルデータとグラフで、グラフは横軸は地中の深さ(単位はcm)、縦軸は硬さ(単位はメガパスカル)を示しています。土壌物理性というのは、単に硬いか柔らかいかではなく様々な変化をしていることがわかります。サンプルデータを比較してみると、共通してるのは土壌表面は柔らかく、土中深くなるにしたがって硬くなるということですが、硬くなり方、硬い場所、硬さの加減はバラバラであることがわかります。この違いによって、栽培する作物の根域(根を張る範囲)やあ根の性質(根毛の多さなど)に強い影響を与えます。また、根を張るという行為はエネルギーを伴いますので、土壌硬度のよって消費エネルギー量が変わり、そのことが成長速度を変化させる要因になっています。

参考:土壌硬度計で計測した硬度データをグラフ化したもの
縦軸:土壌硬度(単位:メガパスカル)、横軸:土壌深度(土壌の深さ、単位:cm)

当社の特徴

サンプルデータは、貫入式デジタル土壌硬度計(大起理化工業社製)やアナログ式土壌硬度計などの「コーン・ペネトロメータ―(※)」を使用すれば、だれでも簡単に土壌硬度の変化を知ることが出来ます。このデータから「どこが一番硬くなっているか」「どこに耕盤があるか」「どこまで柔らかいか」などの傾向はつかめますが、問題は結果として栽培する作物がどうなるのかということです。

※コーンペネトロメータ―:人力による荷重方式で垂直線に沿う土の変化を測定し、地盤の強さを調べる装置のこと。

当社は15年以上の土壌硬度データを含めた作物データの積み上げから、栽培する作物の成長速度を推定する解析アルゴリズムを構築することに成功しました。このことにより、土壌硬度データから栽培する作物の成長速度を計算したり、栽培する作物の成長速度を最適化するための土壌硬度データを複数のパラメータで示すことが可能になりました。この土壌硬度と作物の成長との関係性を数値で示すことができるのは、世界でも唯一当社だけです。

更に学術的な内容について知りたい方は、均一性評価サービス(β版)のユーザー登録(無料)頂ければ「土壌硬度分布という概念」(当社、解析者作成)を配信させて頂きます。